コラム

犬と猫の顔が似てきているという話

2026年5月22日
西
西森 弘造る
2026年5月22日 • 1分で読めます

犬と猫の顔が似てきているという研究が複数あるらしい。
丸い顔に大きな目、顔の中心に寄った小さい鼻や口。
一瞬で「かわいい」とやられてしまう顔。

これは偶然ではないらしい。
人為淘汰(人工選択)の影響とされる。
人間は無意識に「かわいい顔」を好む。
その「かわいい」の典型が、いわゆるベビースキーマ(baby schema)。
人間の赤ちゃんの特徴と同じで、保護本能を引き出す進化的仕組みである。

その結果、人間が「かわいい」と感じる個体を選択的に繁殖し、
犬と猫の顔が似た方向へと収斂していったと考えられる。
「市場(人間)が、犬と猫を“同じ方向にポジショニングした”」
とも言えるだろうか。

もっとも、その「かわいさの追求」には問題点もあるらしい。
短頭種に見られる呼吸のしづらさや、眼・歯のトラブルなどである。
ただし、この点は本題ではないため、ここでは深入りしない。

この構造は、SNS上でも見られる現象と似ている。
SNSで評価されやすいのは、
一瞬で目に入り、一瞬で好感を持たれ、一瞬で安心できる表現である。
すなわち、「瞬間的に最適化されたわかりやすさ」である。

そこに人間の「いいね」という選択と、アルゴリズムによる増幅が加わる。
この二重の選択圧によって、表現は次第に似た方向へと収斂していく。
SNSの漫画キャラの人物表現が似通っていく現象も、同様の力学で説明できるかもしれない。
そしてこの人為的淘汰の速さは、犬と猫の比ではない。

入口では淘汰されないためのわかりやすさが求められ、
その先でいかに差別化するかが問われる。
あるいは、淘汰に逆らってでも成立させられるだけの強い個性を持つか。

どちらを選ぶかは一概には言えない。
ただ、自分の戦略を自覚することは、意味があるはずである。

(2026年3月30日X・Instagram投稿)

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