犬と猫の顔が似てきているという研究が複数あるらしい。
丸い顔に大きな目、顔の中心に寄った小さい鼻や口。
一瞬で「かわいい」とやられてしまう顔。
これは偶然ではないらしい。
人為淘汰(人工選択)の影響とされる。
人間は無意識に「かわいい顔」を好む。
その「かわいい」の典型が、いわゆるベビースキーマ(baby schema)。
人間の赤ちゃんの特徴と同じで、保護本能を引き出す進化的仕組みである。
その結果、人間が「かわいい」と感じる個体を選択的に繁殖し、
犬と猫の顔が似た方向へと収斂していったと考えられる。
「市場(人間)が、犬と猫を“同じ方向にポジショニングした”」
とも言えるだろうか。
もっとも、その「かわいさの追求」には問題点もあるらしい。
短頭種に見られる呼吸のしづらさや、眼・歯のトラブルなどである。
ただし、この点は本題ではないため、ここでは深入りしない。
この構造は、SNS上でも見られる現象と似ている。
SNSで評価されやすいのは、
一瞬で目に入り、一瞬で好感を持たれ、一瞬で安心できる表現である。
すなわち、「瞬間的に最適化されたわかりやすさ」である。
そこに人間の「いいね」という選択と、アルゴリズムによる増幅が加わる。
この二重の選択圧によって、表現は次第に似た方向へと収斂していく。
SNSの漫画キャラの人物表現が似通っていく現象も、同様の力学で説明できるかもしれない。
そしてこの人為的淘汰の速さは、犬と猫の比ではない。
入口では淘汰されないためのわかりやすさが求められ、
その先でいかに差別化するかが問われる。
あるいは、淘汰に逆らってでも成立させられるだけの強い個性を持つか。
どちらを選ぶかは一概には言えない。
ただ、自分の戦略を自覚することは、意味があるはずである。
(2026年3月30日X・Instagram投稿)