昨年12月、健康保険証が廃止され、マイナンバーカードへ一本化された。
恥ずかしながら我が家でも、直前になって慌てて切り替えを済ませた。
マイナンバーカードを巡っては、立ち上げ時の混乱から、
「本当に大丈夫なのか?」という不信感は、今も根強い。
ただ、医療構造の視点で見ると、これは
PHR(Personal Health Record)時代への重要な入口である。
これまで個人の医療情報は、病院・薬局・行政に分散されていたが、
マイナンバーカードは、診療情報や薬剤情報を
「自分が持ち、管理する」構造への転換点になる。
ここに、もう一つの流れが重なる。
それが、ウェアラブルデバイスだ。
心拍、睡眠、活動量といった日常のバイタルデータが、
蓄積され、PHRとつながることで、
医療は「病気になってから」ではなく
日常の延長線上に入り込むものへ変わっていく。
つまり、健康と病気は、これまでのように明確に区切られたものでなく、
個人として、より連続性をもって捉えられる時代に入っていく。
にもかかわらず、導入時のトラブルや説明不足によって、
こうした価値や未来像が十分に共有されていない。
これは、大きなコミュニケーションロスである。
本来、この仕組みがもたらす可能性は大きい。
・重複投薬の防止
・災害・緊急時の迅速な医療情報共有
・オンライン診療や在宅医療の質向上
・日常データを活かした予防と早期介入
問われているのは制度の是非ではない。
医療体験がどう変わるのかを、どこまで共有できるか。
それこそが、医療DXの成否を分けていく。
(2026年2月9日X/Instagram投稿)