コラム

なぜスーパーマーケットのクーポンは使われないのか?

2026年4月1日
西
西森 弘造
2026年4月1日 • 1分で読めます

クーポンが使われない理由は「お得度」ではない。
人の意思決定の構造と噛み合っていないからだ。

会計のたびに、レシートと一緒に出てくる様々なクーポン。
実は私はスーパー好きだが、正直クーポンを使ったことがない。
律儀な私は、一応、財布に入れるが、気づけば期限切れ。
「得なはず」なのに、行動にはつながらない。

ここで問うべきは、
クーポンは誰の意思決定を助けているのか、という点だ。

問題は大きく2つある。
1つ目は、文脈の欠如。
人は「今・この状況」で判断する。
今日の献立、冷蔵庫の中身、時間の余裕。
それらと無関係に渡されるクーポンは、情報ではなくノイズになる。

2つ目は、報酬の遅さ。
次回限定、条件付き、有効期限あり。
人は「いつか得をする」より、
「今すぐ得をする」ものに強く反応する。

このズレを構造的に解消しているのが、
最近首都圏に進出してきたスマートストアとも呼ばれる「トライアル」だ。
スマートカートと呼ばれる同社のカートは
売り場を通過する「その瞬間」に、
その場所に合った商品や価格を提示する。

「今・この状況」と「今すぐ得をする」を同時に満たしている。

トライアルが下げているのは、価格だけではない。
判断コスト、認知負荷、決断疲れだ。

マーケティングの役割は、情報を渡すことだけではなく、
判断の負担を軽くすることでもある。
あなたのサービスは、顧客の「判断」を助けているだろうか、
それとも「負担」を強いているだろうか。

(2026年2月13日X/Instagram投稿)

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